Multi-Dimensional Ski & Life
「スキーほど、多様性に満ちたスポーツはないのではないでしょうか?」
そう思って、“スキーと人生の様々な楽しみ方”などというブックを創ってしまいました。
自分がスキーヤーとして経験したその多様性に富んだ魅力も、もちろん紹介していきます。しかし、そんな自分の体験に言及する前に、これまで具体的に記録されたスキーの多様さを書いてみましょう。
まず生身の身体で、人間が250km以上のスピードを出せるスポーツであること。
確か現在の世界記録はPhilippe Goitschel の250.790Km/hのはず…。
次に、生身の人間が200m以上も空を飛ぶスポーツであること。
確か世界最長不倒距離をマークしたのはビョルンアイナル・ロメレン で、239mだったはず。
生身の人間が空中で3回宙返り5回ひねりをやるスポーツであること。
フリースタイルスキーのエアリアル競技では、体操選手もトランポリン選手も、高飛び込み選手すらできない最高回転数とひねり数を実現しています。
また、バレエスキー(アクロ)では、フィギアスケートに匹敵するような回転数を実現し、豊かな表現芸術としての側面も見せてくれました。

そんな驚く多様性を持つスキーですが、その楽しみ方の幅も非常に広いものです。
「スキーで何をするのが好き?」と聞かれて、まず思い浮かべるのは「新雪滑走」でしょうか。
今でも、足場がないほど深い新雪で、初めて連続ターンができるようになったときの身震いするような感覚を覚えています。
深雪も素晴らしいですが、コブ斜面に積もった30cmくらいの新雪を滑るのも、ほんとうに楽しいものです。まさにイルカになったかのような、…イルカになって無心で遊んでいるような喜びが、そこにあります。

朝一番、美しく圧雪された中斜面を、高速大半径パラレルで滑るのも、何物にもかえがたい魅力です。
今朝は霧雨だったのですが、五竜のゴンドラに一番乗りしました。
すると、若者と一緒になりました。じつは昨日も一昨日も、彼と一番ゴンドラで一緒になりました。
今年、白馬五竜でもっとも滑ったスキーヤー、成宮君です。
「あいにくの雨ですね」
そう言うわたしに、彼はこう答えました。
「雨だと、スキーがよく滑るんですよ」
そのとおり。
わたしもカッパまで着て、わざわざ小雨をねらってトレーニングしに行ったのですから。
「そうですよね。じつはわたしも雨が好きです。特にこの季節になると、雨はいいですね」
連休前の静かな平日の早朝。
数人のスキーマニアが、霧雨のなか、ただひたすらにシュプールを刻んでいました。
そんなスキーも、とてもいいものです。
急斜面、中斜面、緩斜面という斜度のヴァリエーションに加え、林間コースや反対に森林限界を超えたコースのヴァリエーション。
氷河や万年雪。
新雪、深雪、アイスバーン、粉雪、湿雪、人工雪という雪質のヴァリエーション。
これから、スキーの多面的な魅力と、人生の不思議を、ここに書いていくつもりです。
ぜひ、みなさんもご参加ください。
https://ameblo.jp/tonakai-no-hitorigoto/entry-10031751144.html






























